【初心者必見】法人向けPCの選び方ガイド
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- 公開:
- 2025/09/25
研修やセミナー、展示会などで一時的に法人向けPCを使う場面があります。
普段PC選定を担当していない方にとって、「どのPCを選べばいいのか分からない」「届いたらすぐ使えるの?」と悩むことも少なくありません。
法人向けPCは個人向けPCと仕様やライセンスが異なるため、導入には注意が必要です。
この記事では、法人向けPC (ノートパソコン・デスクトップパソコン) の基本スペックや最近のトレンド、用途別おすすめPC、調達方法のポイントを初心者向けに解説します。
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法人向けPCと個人向けPCの選び方の違い
研修用PCやイベント用PCなど短期利用でも、選ぶPCの種類によって管理やライセンスに差が出ます。
個人向けPCでも動作しますが、法人利用ではライセンスやセキュリティー機能が制限される場合があります。
OSライセンスの違い
個人向けPCには「Windows Home」が多く搭載されていますが、法人業務利用には「Windows Pro」以上が推奨です。
BitLockerによる暗号化など、研修や管理業務で必要となる機能が含まれているためです。
Microsoft Office やソフトウエアの利用規約
個人向けライセンスの Microsoft Office は、法人業務で利用すると規約違反となる場合があります。
法人向けライセンスの Microsoft Office を用意することを推奨します。
また、法人向けのPCには Microsoft Office が標準搭載されていないことも多く、別途用意するようにしましょう。
- Microsoft Office をはじめとするソフトウエアにはサポート期限があり、期限を過ぎるとセキュリティ更新が受けられなくなる点にも注意が必要です。
新規調達だけでなく、社内で保有しているライセンスを利用する際にもあらかじめ確認しておきましょう。
参照:ご存じですか? Office にはサポート期限があります|Microsoft
Microsoft 365 であれば、定期的に機能やセキュリティ更新が提供され、サポート期限を意識せずに利用できます。
導入時のオプションや不具合時の対応
法人向けPCを提供する企業は、導入時の設定 (キッティング) オプションや、不具合時の対応窓口が整っていることが一般的です。
例えば、研修用PCに同じ設定を複数台にキッティングするサービスや、不具合時に引取修理に出したり、代替品と交換したりできるサービスなどがあります。
これにより、導入から運用も安心して利用可能です。
一方で、個人向けPCは購入後のサポートが限定的で、設定やトラブル対応は利用者自身で必要なことが多い場合があります。
短期間の研修やイベント利用であっても、法人向けPCを選ぶことでスムーズな運営が可能になります。
法人向けPCの標準仕様と最近のトレンド

研修や展示会などの短期利用でも、PC選びの基本的な仕様を理解しておくと、スムーズに調達できます。
ここでは、Windows 11 Pro 64bit を前提に、法人向けPC選びで押さえておきたいポイントを紹介します。
法人向けPCのOS選定時の注意点
OS (Operating System) は、パソコンを動かす基本ソフトで、アプリケーションやハードウエアを管理する役割があります。
法人向けPCでは主に Windows 11 Pro 64bit が一般的です。
※ Windows 10 は 2025年10月14日にサポート終了します。
法人向けPCのCPU・メモリ・ストレージの目安
2025年9月時点で、一般的な事務用途に利用者が動作に不満なく使えるであろう主要スペックを紹介します。
項目 | 役割 | 最近のトレンド・目安 |
---|---|---|
CPU |
パソコンの「頭脳」 処理速度や複数アプリ同時利用する際に影響 |
Intel Core i5 / Core Ultra 5 /Core 5 以上 AMD Ryzen 5 以上 |
メモリ |
「作業スペース」 複数作業のスムーズさに影響 |
16GB以上 |
ストレージ |
「データ保存場所」 読み書きの速さが作業に直結します。 |
SSD 256GB以上 ※HDDは近年減少 |
Web会議アプリや複数アプリを並列利用するなど、負荷の高い作業がある場合はCPUをCore i7 / Core Ultra 7 / Core 7 / Ryzen 7 以上、メモリを32GB以上にすることもおすすめです。
※利用するアプリケーションや利用環境によって、PCの必要要件は異なります。
法人向けPCのWebカメラ・Wi-Fi・インターフェースなどの周辺機能のトレンド
PCを選ぶ際には、OS・CPU・メモリ・ストレージ以外にも確認しておきたい仕様があります。
項目 | 最近のトレンド・目安 |
---|---|
Webカメラ・マイク | ノートPC:基本的に標準搭載 (顔認証は別途確認が必要) |
Wi-Fi |
ノートPC:基本的に標準搭載 デスクトップPC:有線LAN接続が多い |
インターフェース |
ノートPC:端子数が減少傾向 ・USB Type-A 、USB Type-C の規格と数など (USB Type-C に関しては給電可能か、映像出力対応しているか) ・映像出力端子(主にHDMI が主流だが、USB Type-C の出力も増えている) |
DVDドライブ |
ノートPC:最近はほぼ搭載なし デスクトップPC:要確認 |
重量 |
B5ノートPC:0.8~1.5kg前後 ※持ち歩くならB5ノートPC A4ノートPC:約2kg前後が一般的 デスクトップ:約1~5kg前後 ※マイクロタイプは軽量 |
ソフトウエア | 法人向けPCには市販ソフトウエアのプリインストールは基本的になし |
PCには標準搭載されているだろうと思っている機能が、PCメーカーにとっては標準仕様ではない可能性があります。
PCごとに仕様は異なるため、こうしたトラブルを避けるためにも、事前に仕様書を確認しておくことが大切です。
法人向けPCを調達する際の仕様書チェックポイント
実際に、仕様をチェックするポイントは下記のとおりです。
CPU・メモリ・ストレージ・OSなどの仕様が用途に合っているか。
希望している仕様に合っているか確認しましょう。
使用するソフトウエアの動作要件などを確認し、満たせているか。
ソフトウエアの動作要件はWebサイトで公開されていることも多く、要件を満たす仕様であるかあらかじめ確認しておきましょう。
接続端子がモニターやプリンターなどの周辺機器に対応しているか。
PCと接続させる機器がある場合には、接続端子を事前に確認しておきましょう。
場合によっては、変換アダプターが必要な可能性があります。
社内規定・セキュリティー条件に沿っているか。
特に、社内のネットワークへアクセスする場合は社内のIT担当者へ要件を確認しておいたほうがよいでしょう。
用途別おすすめPC

ここまで仕様ごとの一般的な仕様とトレンドについて、説明しました。
実際に調達する際には、用途ごとにどのような調達をしたらよいのでしょうか。
研修・セミナーで使うためのおすすめPC
- おすすめは、A4ノートPC
画面が大きく、見やすいので資料作成などに快適に利用できます。
設置スペースが決まっている会議室や研修室ではA4ノートPCが便利です。
約2kgと重量があるので、持ち歩きが想定される場合には不向きです。
スペックは使用するソフトウエアなどを基に検討するとよいでしょう。
新人研修などであれば、通常利用している業務PCの仕様を参考にしてもよいでしょう。
展示会・イベントで使うためのおすすめPC
- おすすめは、A4ノートPC・モニター
一般的には、B5ノートPCは接続端子が少ないため、プリンターやプロジェクターなど外部接続が多い場合には、A4ノートPCを利用することがおすすめです。
用意するプリンターなどの接続端子を事前に確認しましょう。
また、大きく映像を見せるなど、モニターも合わせて利用することもおすすめです。
ただ、持ち歩きが多く想定される場合には、B5ノートPCも検討してもよいでしょう。
インターンシップで使うためのおすすめPC
- おすすめは、短期インターンにはA4ノートPC、長期インターンであれば要検討
1日~数日程度の短期インターンであれば、A4ノートPCがおすすめです。
デスクトップPCの場合は、モニターとの接続やスペースなど設営の面で工数がかかる可能性があります。
数週間から数か月、またはそのまま本採用となる可能性のある長期インターンの場合には、業務利用のできるスペックをIT担当者と相談の上選ぶことをおすすめします。
法人向けPCの調達方法について
ここまで、初心者の方に向けて法人向けPCの選び方を説明しました。
希望スペックが決まったら、次に検討したいのは調達方法です。
短期的にPCを用意する場合、主な選択肢は「購入」と「レンタル」に分かれます。
購入の場合は、機種や仕様を自由に選べるメリットがありますが、初期投資が大きく、使用後の管理や保管に手間がかかります。
レンタルであれば、必要な台数を必要な期間だけ借りられるため、初期費用を抑えられ、使用後は返却するだけで負担を軽減できます。
※PCの調達方法にはリースもありますが、法定耐用年数からパソコンの最低リース期間は2年のため、研修やイベントなどの一時利用には不向きです。
状況別のPC調達方法の比較については、こちらで詳しく解説しています。
また、PCをスムーズに利用するためには、納品場所や搬入条件も事前に確認しておくことが重要です。
施設によっては事前申請が必要な場合もあるため、納品場所の搬入条件を確認した上で、調達先へ納品場所や搬入条件を伝えておくと安心です。
横河レンタ・リースでは、最短1週間から法人向けPCをレンタル可能で、1台から複数台まで全国各地への納品に対応しています。
詳細は以下のページをご確認ください。
法人向けPCのキッティングについて
PCが届いてそのままの状態ではすぐには使えません。
初期設定やソフトウエアのインストールなどのキッティングが必要です。
特に複数台を用意する場合には、キッティング作業に時間や手間がかかります。
法人向けのサービスの場合の多くは、PCの購入先やレンタル先でのキッティングサービスを提供しています。
必要な設定項目について精査した上で、PCの問い合わせをする際に代行可能か確認しましょう。
横河レンタ・リースでは、当社レンタル品に対し、初期設定からソフトウエアのインストールなどのキッティングを代行するサービスもあります。
これにより、担当者の負担を軽減し、研修などイベントへ集中することができるでしょう。
まとめ
法人でPCを導入する際には、まず利用目的に応じて調達方法を検討することが重要です。
PCごとに仕様は異なるため、「当然あると思っていた機能がなかった」という行き違いを避けるには、事前に仕様書を確認し、必要なスペックを明確にしておくことが欠かせません。
さらに、調達先の選定からキッティング、導入後の運用までを想定して準備しておくことで、スムーズな業務環境を整えることができます。
この記事で紹介したポイントはあくまで一般的な観点ですが、実際の導入では自社の利用シーンを踏まえて検討することが大切です。
最適なPCを選び、計画的に導入を進めることで、トラブルやコストを避けながら安心して活用できるでしょう。