PCキッティングを自動化する方法とメリット・デメリットをあわせて紹介

IT基礎知識

レンタル

公開:
2026/05/11

「キッティングの業務負担が重いが解決策がわからない」「キッティング業務内容を見直したい」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

キッティングは多くの企業の情シス部門においても負担が重くなりやすい業務ですが、自動化やアウトソーシングを活用し、業務負担を減らすことが可能です。
ただし、これらを活用したとしてもすべての作業工数がゼロになるわけではないため、注意が必要です。

この記事では、キッティング業務内容について、構造や業務負担が重くなりやすい原因、業務内容を見直す際のポイント、キッティング時の注意点をご紹介します。

情シスの業務効率化なら
当社では、機器調達やPC運用管理時に発生する手間や課題を解消するサービスを展開しています。
以下リンクから、当社が提供するPC関連サービスをご覧いただけます。

キッティング業務内容について

キッティングとはPCに対しOSのインストールやネットワーク設定など、業務ですぐに使用できるように設定することを指し、多くの企業において負荷がかかる作業として位置づけられています。

2025年に従業員100名以上の企業1,030社を対象に実施したマクロミルによる調査では、PC運用・管理における負荷の大きな業務として、セキュリティー対策・ヘルプデスクに次いで「導入時の対応 (キッティング)」が挙げられています。

PCの運用・管理における負担の大きい業務について (複数選択可)

情報システム部門では、社内デバイスのセキュリティー対策や社内のDX推進といったコア業務に加えて、社員の入社・異動・退職に合わせたPCの調達やキッティング、PCの故障による修理手配・入れ替えといった業務も突発的に発生し、大きくリソースを奪われることも珍しくありません。

このように、情シス担当者にとって大きな負担となるキッティング業務は効率化が求められる一方で、なかなか効率よく進められる体制を整えられていない状況が常態化しているケースも多く見られます。

上記でご紹介した調査結果の詳細を記したレポートのダウンロードは、以下から行えます。

キッティング業務内容の構造

上記のとおり、キッティングは多くの情シス担当者にとって負荷のかかる業務ですが、これにはキッティング業務のすべてをアウトソースや自動化に頼りづらく、効率化できない背景があります。

以下では、キッティング業務内容の構造を、定型業務 (アウトソーシング・自動化可能なもの)・確認業務 (一部をアウトソーシング可能なもの)・設計・調整業務 (アウトソーシング・自動化不可なもの) の三つに分けてご紹介します。

定型業務 (標準化が可能な業務)

キッティング業務内容のうち、あらかじめルールや構成が定まっているものは、定型業務として行えます。
定型業務に当てはまるのは、主に以下のような業務です。

  • OSのインストール、基本設定 (言語・時刻など)
  • セキュリティーパッチの適用
  • 各種ソフトウエア・ドライバーのインストール
  • 各種ポリシー設定
  • ネットワーク設定
  • 梱包 (こんぽう)・開梱 (かいこん)
  • ラベル貼り付け
  • 台帳管理

このような作業は、自社でルールや構成を事前に整理しておくことで、アウトソーシングや自動化が可能になります。

特に、OSのインストールや基本設定など、PCの構成に関する作業は、クローニングや Windows Autopilot による事前プロビジョニングで自動化できます。

事前プロビジョニングについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

確認業務

キッティングでは、以下のような確認業務があります。

  • デバイスの起動確認
  • MDMへの登録状況の確認
  • セキュリティー状況の確認
  • OSの起動、ネットワーク接続状況の確認
  • ソフトウエアの起動確認
  • 台帳の記載内容の確認

確認業務については、一部アウトソーシングも可能です。
ただし、業務用のソフトウエアが問題なく使用できるか、社内環境下で運用できるかといった最終的な確認や、起動はするものの動作が遅いと感じないかなどの異常に対する判断に関しては、自社で内製し柔軟に対応する必要があります。

設計・調整業務

どのようにキッティングを進めるかの計画やイレギュラー対応など、以下のような設計や調整に関する業務はアウトソーシングや自動化が難しく、自社で行う必要があります。

  • キッティング方法の選択 (手作業、クローニング、Windows Autopilot の使用など)
  • どこまでPCの構成を標準化させるかの判断
  • 例外的な用途 (役員の使用、専門業務での使用) のPCの扱い方の判断
  • 新規調達PCに応じた既存環境の整備
  • 台数や納期変更に対する調整

このような業務は社内での判断が必要で、責任も伴うため、アウトソーシングするのではなく自社で行うため、最も負担が大きくなる部分といえるでしょう。
ただし、設計方法や選択したキッティング方法によっては担当者の負担を最小限に抑えられる可能性があります。

上記の設計・調整業務はアウトソースを活用できないため、なるべく定型業務をアウトソーシングや自動化で効率化させることで、担当者の負担を減らせます。

キッティング業務内容が重くなりやすい原因

上記のとおり、キッティング業務内容は多岐にわたり、一部の業務はアウトソーシングや自動化で対応できないため、担当者の負担が増えがちです。
以下では、このような内製で対応する業務がなぜ負担となるのか、キッティング業務内容が重くなりやすい原因についてご紹介します。

突発的なPC需要がある

急な退職や増員、PCの故障などによる新規調達や入れ替え作業が発生することがあり、その度にキッティング業務も対応しなければなりません。

パソコンのリプレースであれば、あらかじめスケジュールを抑えて内製で対応できますが、突発的に発生するキッティング業務においては、別の業務と並行しなければならないことも多く、IT担当者の負担となってしまいます。

株式会社バッファローの「情シス業務の外部委託に関する実態調査」で、勤め先の情シス業務に関する悩みに対して「人材不足」と答えた人が32.4%いるように、情シス部門は人手不足が課題となっている企業も少なくありません。

出典:株式会社バッファロー

標準的なPC以外に対する扱いが難しい

役員用のPCや、特殊な業務を行う部署など、標準的なPC構成とは違うPCを調達するケースもあります。
このような個別対応が必要なPCに関しては、都度人の手で設計や調整、確認作業を行う必要があるため、担当者のリソースを圧迫します。

標準的なPCに対する対応だけ決めていても、このような例外対応が増え続けることによって、担当者の負担は減らず、かえって増えてしまう可能性もあります。

標準化が難しい

キッティング業務は定型業務も多く、標準化させやすいものの、上記のように個別対応が必要なケースも多く、完全な標準化が難しいことも、担当者の負担が大きくなりやすい原因として挙げられます。

例えば、部署ごとにインストールするアプリケーションが違ったり、デバイスをユーザーに選ばせたりするようなケースがあると、キッティングのパターンが増え、標準化できないこともあり、ユーザーが快適に働ける環境を整える一方で、IT担当者の負担が増大してしまう可能性があります。

キッティング業務内容を見直すポイント

ここまでご紹介したように、キッティング業務内容は突発的な対応の発生やすべてを標準化させることが難しいといった原因から、担当者の負担が増えがちです。
しかし、一度業務内容を見直し、負担が増えている箇所の抽出や対応策を用意するだけでも、業務改善のために動きやすくなります。

以下では、キッティング業務内容を見直すポイントをご紹介します。

標準化できる業務を切り分ける

まずは、どの業務を標準化できるのか、定型業務と非定型業務に分類しましょう。
「キッティング業務内容の構造」で挙げたような業務は定型業務として切り分けられ、アウトソーシングやツールによる自動化が可能です。

自社でツールを活用し自動化したり、クローニングでキッティングを一括で進めたりする際は、誰でも対応できるように手順を入念に整えることが重要です。
また、定型業務だけでなく、その後に行う確認業務についても、同様にフローを整備しておくとよいでしょう。

部署ごとにキッティング作業が違う場合でも、ベースのキッティング作業が同じであれば、その作業だけでもアウトソーシングやツールによる自動化をおすすめします。
キッティングの自動化の手法について詳しくは、下記をご確認ください。

また、その先で分かれる作業においては、別のツールを通して配布するといった方法を用意しておきましょう。

例えば、部署ごとに追加するアプリケーションが異なるのであれば、当社のアプリケーション配布管理ツール「AppSelf (アップセルフ)」が役立ちます。
AppSelf は、IT部門が許可したソフトウエアのみをユーザー側でインストールできるツールです。

用途別にインストールが必要なアプリケーションをリストアップし、ホワイトリスト化しておくことで、ユーザー自身でインストール作業を進められるため、IT担当者の負担を軽減することができます。

突発的なPCの入れ替え・増減時の対応策を用意する

突発的な入社や退職、異動や故障した際のPCの入れ替えなどは定期的に発生するため、対応策を用意しておきましょう。

例えば、あらかじめキッティング業務を自動化やアウトソースしておくことで、自社のリソースを圧迫されず、キッティング済みのPCを調達できます。

当社のPC運用管理サービス「Cotoka for PC」では、Windows Autopilot のデバイスIDをひもづけた状態でPCをお届けするため、事前に設定した内容でスムーズにセットアップできます。

また、故障時の代替機の発送についても同様に対応が可能で、ヘルプデスク機能を通じてユーザーからのお問い合わせにも対応しています。

例外対応が必要なPCの扱い方を決めておく

役員用のPC、特定の部署のPCなど例外対応が必要なものは、どのようにキッティングを進めるのかフローを定めておくとよいでしょう。
例えば、特定の部署でソフトウエアのインストールを個別に行わなければならない場合は、事前にインストールが必要なソフトウエアをピックアップしておくなど、想定されるパターンとその対応策を洗い出します。

また、PCの機種に依存しないキッティング自動化の手法もあります。
Windows Autopilot では、PC機種依存がないとされており、キッティング内容が同じであれば例外対応が必要なPCにも適用できます。

また、キッティング内容自体が異なる場合には、アプリケーションの配信ツールなども用意しておき、ユーザー側での対応を含めた運用を検討することも有効です。

すべてをIT部門が個別対応するのではなく、想定されるパターンに応じて対応方法を整理しておくことで、キッティング業務の負担を軽減できます。

PCキッティングサービスなら手間なくPCを準備できる!

上記では、キッティング業務内容を見直す方法をご紹介しました。
業務の切り分けやイレギュラー時の対応策の用意など、ある程度工夫することで業務負担を抑えることは可能ですが、「担当者が足りずどうしても業務過多になる」「工夫しても負担があまり減らなかった」という場合は、外部業者にキッティングをアウトソーシングするのがおすすめです。

当社のPCキッティング・インテグレーションサービスでは、当社が提供するレンタル品のPCに対し一連のキッティング作業を行ったうえでお届けする作業代行サービスです。
基本的なキッティング作業はもちろん、お客さまのご要望に合わせて柔軟な対応も可能で、数千台規模の大量導入も行えます。

また、当社は自社でキッティング作業ラインを完備しており、年間16万台のキッティング、年間4万台のクローニングを実施している実績もございます。
独自開発のシステムにより高品質な環境での作業を実現しているため、対応台数や安全面などの不安もなくキッティングをお任せいただけます。

サービスの詳細については、以下のページに記載しています。

  • 本サービスは、原則、当社のレンタルPCの手配とセットでのご依頼となり、キッティング作業のみのご依頼はお受けしておりません。

キッティング時の注意点

ここまで、キッティング業務内容や業務内容を見直す際のポイントなどをご紹介しました。
業務負担を減らす方法として、自動化や外注なども挙げましたが、これらを取り入れる際はいくつか注意しておくべき点があります。
キッティング時の注意点は、以下のとおりです。

キッティングの自動化だけでキッティング業務がすべて楽になるわけではない

クローニングや Windows Autopilot を活用したキッティングを行うことで、一度に大量のPCに対して各種設定やポリシーを適用できますが、すべてのキッティング業務の工数をゼロにできるわけではありません。

クローニングでは、OSなどのアップデートがあった際はマスターPCのデータも新たに作り直す必要があります。

また、Windows Autopilot では、PCごとに設定内容が異なったり、従業員ごとにインストールするソフトウエアが異なったりする場合は、個別設定が必要になります。
また、PCをユーザーへ配布する前や回収後には、デバイスIDのひもづけや解除が必要になります。

このように、クローニングや Windows Autopilot で一部のPCへのキッティングを自動化できたとしても、個別対応が発生することがあるため、業務負担を完全にゼロにできるわけではない点にご注意ください。

外注・内製に偏りすぎない

キッティング業務では外注・内製に偏りすぎないことが大切です。
「キッティング業務内容の構造」でも述べたように、キッティング業務は定型業務、確認業務、設計・調整業務の3種類に分けられるため、外注する業務・内製する業務を切り分けてバランスよく取り組むことが重要です。

すべての業務を内製で行おうとすると、社内の担当者の負担が増加したり、担当者ごとに業務が偏り属人化が進んだりする原因となります。
また、すべての業務を外注してしまうと、社内にキッティング業務のノウハウが蓄積されず、万が一のトラブル時にもスムーズに対応できない恐れがあります。

そのため、基本的にはある程度フローが固定化されている定型業務や一部の確認業務を外注し、運用設計やイレギュラー対応といった設計・調整業務を内製で行うことをおすすめします。

故障・入れ替えなどを見据えた運用計画を立てる

自動化やアウトソーシングによってキッティング業務は効率化できますが、単に工数削減を目的として導入するのではなく、あらかじめ故障や入れ替えを見据えた運用計画を立てたうえで、それらを取り入れることが重要です。

PC運用において、故障や入れ替えは必ず発生するため、日頃からキッティング業務のアウトソースや自動化をしたり、トラブル時の対応マニュアルを整備したりするなど、万が一の事態に備えた運用計画を立てましょう。

このように、PC導入時の計画だけでなく、将来的な運用もふまえた計画まで立てておくことで、緊急時の判断ミスや対応の遅れを防げます。

キッティング業務内容に関するよくある質問

ここまで、実際にキッティングに取り組む際に理解しておくべき構造や注意点を具体的にご紹介しましたが、つまずきやすいポイントなど疑問が浮かぶ方も少なくありません。
最後に、キッティング業務内容に関するよくある質問にお答えします。

クローニングでつまずきやすいポイントは何ですか?

クローニングではマスターPCを作成しますが、マスターPCの作成時につまずきやすいポイントがいくつかあるため、注意が必要です。

例えば、マスターPCは異なる機種へのイメージ展開はできないため、機種ごとにマスターPCを作成しなければなりません。

無理やり異なる機種へ反映させようとすると、ドライバーに不整合が生じ、正常に起動しないなどの不具合が起きる可能性があるため、あらかじめ作成が必要なマスターPCの数を把握し、機種ごとに作成しましょう。

Windows Autopilot でつまずきやすいポイントは何ですか?

Windows Autopilot の導入時に、割り当てたソフトウエアがインストールされなかったり、設定の反映が途中で止まったりすることがあります。

これは、Windows Autopilot と連携する Microsoft Intune での設定ポリシーや構成プロファイルの反映に時間がかかっていたり、ネットワーク接続や通信速度が不安定だったりすることで生じます。

また、特定のソフトウエアの配信設定を行っていても、インストーラーの形式の違いやソフトウエアの仕様によっては自動配信に対応していないこともあるため、事前の確認が必要です。

このように、Windows Autopilot の使用中にエラーが生じた際は、Microsoft Intune 管理画面のエラーログを確認し、どこに不備があるのかを確認しましょう。

CSP再イメージング権が廃止されるのは本当ですか?

Microsoft では、運用ポリシーの変更により、CSP契約での (Cloud Solution Provider 契約) 再イメージング権は、2026年6月末以降新たな制限を設けることを発表しています。

これにより、Windows Autopilot を用いたキッティングへ移行していく企業が増え、クラウド上での構成割り当てや初回起動での自動展開が可能な「ゼロタッチ展開」が主流となっていくでしょう。

  • ボリュームライセンスによる再イメージング権は継続されています。

まとめ

この記事では、キッティング業務内容について、構造や業務負担が重くなりやすい原因、業務内容を見直す際のポイント、キッティング時の注意点をご紹介しました。

キッティングは業務内容が多岐にわたり、情シス担当者の負担となりやすい業務ですが、あらかじめ定型業務と確認業務、設計・調整業務に切り分け、どの作業を自動化・アウトソーシングできるかを明確にしておくことで、キッティングの業務負担を抑えつつも、万が一の事態が生じた際もスムーズに対応できる運用体制を構築できます。

キッティングのアウトソーシングを検討している方は、ぜひ当社のPCキッティング・インテグレーションサービスをご利用ください。

本サービスでは、1台から数千台規模のキッティングが可能で、お客さまのご希望に合わせた柔軟な対応が可能です。

Windows Autopilot を利用する場合でも、これまで手動で行う必要があったデバイスIDのひもづけや解除作業を代行するサービスをご提供しています。
ぜひお気軽にご相談ください。

  • 本サービスは、原則、当社のレンタルPCの手配とセットでのご依頼となり、キッティング作業のみのご依頼はお受けしておりません。

関連サービス

監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

こんな記事も読まれています

お気軽にお問い合わせください

ページの先頭に戻る