PCLCMを自社で行うのは大変?外部委託するメリットと併せて解説

作成日:2024/03/04

お役立ちコラム

PCLCMを自社で行うのは大変?外部委託するメリットと併せて解説

PCLCMとは、企業におけるPCの「計画→調達→導入→運用→廃棄」といったライフサイクルを管理することを意味しており、多様な働き方が普及するにつれて、多くの企業で重要視されています。
この記事では、PCLCMの概要や自社で実施する際の課題、PCLCMサービスを利用するメリットなどをご紹介します。
PCLCMサービスの選び方についてもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

PCLCM (PCライフサイクル管理) とは?

PCLCM (Personal Computer Life Cycle Management) とは、「PCライフサイクル管理」とも呼ばれており、企業でのPC運用における「計画→調達→導入→運用→廃棄」のフェーズを、一つのライフサイクルとして管理することを指します。
PCLCMを企業で取り入れることで、PCのライフサイクルや各フェーズで必要な管理業務を可視化できるようになり、PC管理におけるコスト削減や業務効率化が期待できます。
しかし、PCLCMを自社で行うには、専門的な知識やスキルが必要になる場面もあり、情報システム部門の負担が増えるケースもあります。
そのような場合は、専門のPCLCMサービスを利用し、アウトソーシングすることも可能です。

PCLCMが企業で求められる理由

厚生労働省による働き方改革の推進や、新型コロナウイルスの感染対策の影響から、テレワークを導入する企業が増加しました。
また、近年では、従業員個人が所持するスマートフォンなどを業務でも利用するBYOD (Bring Your Own Device) を取り入れる企業も多く見られます。

このような背景により、従業員が社内にとどまらず、さまざまな場所で多様なデバイスを利用する環境に変化したことから、情報システム部門での管理業務も複雑になりつつあります。
現在でもテレワークやBYODを継続している企業は多く、情報システム部門のPC管理工数を軽減することが課題とされているため、PCLCMでの業務効率化が注目を集めています。

PCLCMの5つのフェーズ

PCLCMにおけるPCのライフサイクルは、基本的に「計画→調達→導入→運用→廃棄」の5つのフェーズに分類されます。
各フェーズでは、具体的に次のような作業を行います。

計画

初めに、自社にどのようなPCが必要なのか、社内でのヒアリングなどを通して導入計画を立てます。
社内の現状を正確に把握し、部門ごとに必要なPCのスペックをまとめます。
必要なPCのスペックを把握できたら、PCを調達する際に必要な予算や、導入までのスケジュール、導入までに情報システム部門側で行うべき作業など、導入計画の詳細を策定することで、以降のフェーズを円滑に進められるようになります。

調達

導入計画時に洗い出したPCのスペックや予算に合わせて、PCを調達します。
調達方法は、購入だけでなく、レンタルやリースといった方法も挙げられます。
調達フェーズにおいては、多くの製品の中から、最も自社の利用目的や必要なスペック、予算に沿っているPCを検討する必要があるため、PCに関する専門的な知識が求められます。

導入 (キッティング)

必要なPCを調達できたら、導入に向けてキッティングを行います。
キッティングとは、社内でPCを利用する際に必要なソフトウエアのインストールや、社内ネットワークの接続などの初期設定を行うことを指し、キッティングを事前に行っておくことで、従業員がPCを受け取った際に、複雑な初期設定をする必要がなくなり、すぐに業務に取り掛かることができます。
キッティング作業は、基本的に社内の情報システム部門で行いますが、専門性の高い作業のため、社内にスキルを持つ従業員がいない場合は、専門業者へ依頼することもあります。

運用

PCを従業員に受け渡した後は、従業員がPCを安全に利用し続けられるよう、運用・保守するフェーズへ入ります。
PCを利用する際に生じる主なトラブルでは、ウイルス感染、故障、盗難、紛失などが挙げられます。
ほかにも、「IDやパスワードがわからない」「アプリケーションが利用できない」などの問い合わせを受ける場合もあります。
このようなトラブルや問い合わせに迅速に対応することで、トラブルを原因とした情報漏えいのリスクや、業務の遅延を防ぐことができます。

廃棄

PCLCMの最後には、使い終わったPCを処分するというイベントが必ず発生します。
その際、最も注意すべきなのがデータ消去の処理です。
PC内には、企業の機密情報や個人情報など重要なデータが含まれているため、情報漏えいなどのトラブルが発生する原因になりかねません。
流出した情報によっては、企業に損害を与える場合もあるため、手動でのデータ消去以外にも、データ消去ツールを利用したり、物理的にPCを破壊したりするといった手段で廃棄することもあります。

PCLCMを自社で行う際の課題

PCLCMは、社内で利用するPCを適切に管理する際に重要な手法ではあるものの、情報システム部門の業務が複雑化するなど、課題も複数あります。
PCLCMを自社で行う際に考えられる課題は、次のとおりです。

PCの数によって調達やキッティングの工数が増える

新卒の入社する時期など、従業員数や利用するPCの数によっては、多くのPCを一度に調達・キッティングする必要があることも考えられます。
このとき、部署によって必要なPCのスペックが異なったり、キッティング時にインストールするソフトウエアが異なったりする場合は、情報システム部門側での作業工数も増加します。
情報システム部門でPC調達やキッティングができる従業員の数が限られている場合は、1人当たりの負担も増え、本来の業務に支障が出る恐れもあります。

運用時のトラブル対応に時間がかかる

先述のとおり、従業員がPCを運用する際には、ウイルス感染、故障、盗難、紛失といったさまざまなトラブルが発生するリスクがあります。
万が一これらのトラブルが発生した際は、情報システム部門での迅速な対応と、できるだけ早く通常業務に戻れるようにリカバリーすることが必要です。
このとき、トラブル対応に不慣れであったり、専門的な知識が不足していたりする場合、想定よりも多くの時間を要してしまい、業務に遅れが生じる可能性があります。

PC管理者の人手不足が発生する

従業員からの問い合わせやトラブル対応をはじめ、PC運用に関する業務が増えた場合、PC管理を行う情報システム部門において、通常業務の進行に支障が出る場合があります。
また、問い合わせやトラブル対応などを行う際に必要な知識やスキルを持った従業員が限られている場合は、その従業員に業務を任せることになるため、担当者の人数では対処しきれない量の業務を抱える可能性も考えられます。
このように、問い合わせやトラブルの件数、PC運用に関わる業務量、情報システム部門で対応できる従業員の数によっては、人手不足が課題となることがあります。

適切なセキュリティー対策を行えない

PCを安全に運用するには、紛失や盗難による情報漏えいや、外部からのウイルス感染をはじめとしたサイバー攻撃などを防ぐために、セキュリティー対策が欠かせません。
なお、社内で適切にセキュリティー対策を行うためには、管理者がセキュリティーに関する知識を持つだけでなく、各従業員がセキュリティーに関する知識を取得するために教育を施すことも必要です。

知識が不十分なままセキュリティー対策を行うことで、ウイルス感染や紛失、盗難による情報漏えいによってどのようなリスクがあるのかを理解しないまま運用してしまい、さらにトラブルが発生する可能性を高めてしまう恐れがあります。
PC運用を行う際は、あらかじめどのようなセキュリティーリスクがあるかを把握し、一つひとつのリスクに対して適切な対策を施すことが大切です。

また、PCの運用時だけでなく、PCを廃棄する際にも、適切なデータ消去の仕方を理解していないまま廃棄してしまうことで、データを完全に消去しきれず情報漏えいにつながるケースもあります。

資産管理が複雑化する

企業では、社員が使用しているPCを適切に管理するため、各PCに管理ラベルを貼ったり、棚卸しを行ったりして運用状況を把握しておく必要があります。
PCLCMを自社で行い、PCの状況を可視化しやすくした場合であっても、PC以外にスマートフォンやタブレットなど多くのデバイスを企業で管理している場合、資産管理業務が複雑化し、情報システム部門や資産管理担当者の負担が増える可能性があります。

PCLCMサービスを利用するメリット

PCLCMを自社で行うことで、社内のPCのライフサイクルに管理業務の可視化がしやすくなり、業務効率化を図れるメリットはあるものの、先述のとおり、自社でPCLCMを行うことで、かえって情報システム部門の作業工数が増えてしまうなどの課題が生じる可能性もあります。

自社でPCLCMを行うのが難しい場合は、PCLCMの専門サービスを利用することもおすすめです。
PCLCMサービスは各社によって提供内容が異なりますが、一般的にPCLCMサービスを利用するメリットは次のとおりです。

情報システム部門の業務を軽減できる

情報システム部門が、PC管理業務に工数や時間を費やしてしまっている場合、本来行うはずの通常業務まで手が回らなくなってしまったり、情報システム部門での人手不足が発生したりする可能性があります。
PCLCMサービスを利用し、専門業者へ業務を委託することで、PC管理や運用に関わる業務を任せられるため、情報システム部門の従業員は通常業務へ集中できるようになります。
このように、PC管理や運用に工数や時間がかかっている場合は、専門業者へ委託することで、生産性を向上できる可能性があります。

自社に合ったPCを素早く調達できる

部署によって必要なPCのスペックが異なる場合、複数のPCを比較検討する必要があるため、PCに関する知識が浅い場合、調達に時間がかかることも多いです。
PCLCMサービスで専門業者にPC調達を依頼することで、PCに関する知識が豊富なプロに任せられるため、自社の状況や予算に適したPCを素早く調達できます。

横河レンタ・リースが提供する「PC-LCMサービス」では、PCをお客さまへレンタルでご提供します。
当社がPCを在庫として保有しているため、短納期でPC納品することが可能です。
最短1週間から最長5年まで自由な期間で利用でき、最低利用期間の制約もないため、計画通りにPCを調達できないリスクを回避できます。

PC-LCMサービスについて詳しくは、以下のページをご覧ください。

専門的なサポートの元でトラブル対応できる

PC運用の段階で、不具合やトラブルが発生した際に、専門的な知識やスキルがない場合、対処に時間がかかってしまうことがあります。
PCLCMサービスを利用し、専門業者からのサポートを受けることで、不具合やトラブルに対しても、迅速に対応することができるだけでなく、最適な方法を用いて対処できるようになります。
このように、専門業者からのサポートを受けることで、トラブルによって業務に支障が出るリスクを抑えられます。

セキュリティー対策を強化できる

PCLCMを行うにあたって、自社で必要なセキュリティー対策が何かを判断できない場合や、専門家の目線で最適な対策方法を知りたい場合は、PCLCMサービスを利用することで、自社にとって必要なセキュリティー対策を的確に把握できるようになります。
なお、委託業者を選ぶ際は、企業の機密情報や個人情報の取り扱い方について明記している企業など、セキュリティー対策に関して信頼できる企業であるかを見極めることが大切です。
PCLCMサービスの選び方については、後ほど詳しく解説します。

また、昨今では情報漏えい対策としてクラウドストレージを活用し、データ自体をPCに残さない仕組みを取り、盗難・紛失に備える企業も増えています。
データはクラウド上にあるため、データ移行作業からも解放されます。

PCLCMサービスは横河レンタ・リースにおまかせ

ここまで、PCLCMサービスを利用するメリットをご紹介しました。
PCLCMサービスの導入を考えている場合、横河レンタ・リースが提供する「PC-LCMサービス」や「 Cotoka for PC 」もぜひ併せてご検討ください。

PC-LCMサービス

横河レンタ・リースの「PC-LCMサービス」は、PCの導入計画から廃棄までの一連の管理業務にかかる工数を軽減することを目的に、それぞれの業務をサポートするサービスを提供しています。
標準で提供するPCLCMサービスに加え、お客さまごとに抱える課題やニーズに合わせてサービス内容をカスタマイズできる点が強みです。

レンタル従事年数37年、取引実績6,900社の実績から、100万台ものPC運用管理ノウハウを持つ横河レンタ・リースだからこそできるPC-LCMサービスを実現しています。

導入事例

アフィリエイト広告事業やスマートフォン向けアドネットワークを提供する株式会社ファンコミュニケーションズさまでは、10年ほどPCのレンタルとリースを併用して行い、PCを調達していました。
しかし、管理が複雑化したり、トラブル発生時の対応で現場が混乱したりと、課題が多くありました。
そこで、横河レンタ・リースのPC-LCMサービスを利用することで、調達やトラブル時にかかる業務負荷を軽減することに成功し、安定してPC運用や管理が行える環境づくりを実現しました。

株式会社ファンコミュニケーションズさまの導入事例は、以下のページで詳しくご紹介しています。

Cotoka for PC

横河レンタ・リースの「 Cotoka for PC 」は、PCの運用や管理における情報システム部門の工数を限りなくゼロにできるサービスです。
Cotoka for PC を利用することで、PCを利用する従業員は、専用のクラウドプラットホームを通じてPCを申請し、直接利用者の元へ配送されます。
なお、届いたPCは出荷時に自動で Microsoft 365 に登録され、Windows Autopilot によって自動セットアップされるため、情報システム部門側でキッティング作業をする必要もありません。

導入事例

システム・ネットワークインテグレーションをはじめとするICT技術でお客さまの課題を解決するNTTアドバンステクノロジ株式会社さまでは、リモートワークを標準的な働き方とした「リモートスタンダード」を実施しています。
テレワーク環境下でのPC管理や、限られたPC管理者数の中での作業工数の軽減といった課題を解決するため、Cotoka for PC を導入しました。
Cotoka for PC によって、PC導入やトラブル対応時にかかる社内での業務負荷が軽減されるだけでなく、テレワーク環境で必要なセキュリティー対策を高いレベルで行えるようになりました。

NTTアドバンステクノロジ株式会社さまの導入事例は、以下のページで詳しくご紹介しています。

よくあるご質問

最後に、PCLCMを行うにあたって、よくある質問についてお答えします。

PCのライフサイクルは?

PCのライフサイクルは、一般的に4~5年といわれています。
PCは、約1年ごとに新しいCPUが登場するため、4~5年利用していると、最新のものに比べて性能や処理速度、ストレージ数などに大きな差が生じる可能性があります。
そのため、PC自体がまだ利用できる状態であっても、定期的に最新の機種にリプレースすることも大切です。

なお、PCを購入で調達する場合、減価償却の観点から、修理対応を含めできるだけ長く使い切るという制約のある企業も多いのではないでしょうか。
このようなPCの調達も、PCLCMサービスに置き換えることで、償却期間を意識せずに、自社の状況や従業員の業務状況に適したライフサイクル期間でPCを利用することができます。

PCLCMサービスの選び方は?

自社に合ったPCLCMサービスを選ぶ際は、大きく分けて、「自社のPC管理課題や業務内容に適しており、円滑に業務を進められるようなサービスが提供されているか」「セキュリティー対策や導入実績など、信頼できる企業であるか」の2点を特に意識して選定することが大切です。

特に、情報システム部門の人手不足であったり、専門的な知識やスキルが不足していたりすることが課題として挙げられる場合、「PCLCMに関わる業務を一貫して専門家の立場からサポートしてもらえるか」「トラブルなどの緊急時も迅速に対応してもらえるか」などの点を確認するとよいでしょう。
また、PCLCM業務を委託する場合、自社の機密情報や個人情報を委託先の企業へ共有することもあります。
情報漏えいによるトラブルが生じないよう、安心して情報を預けられる企業を見極めることが重要です。

まとめ

この記事では、PCLCMの概要や自社で実施する際の課題、PCLCMサービスを利用するメリットなどをご紹介しました。
PCLCMを行うことで、自社のPCのライフサイクルを可視化できるため、情報システム部門で行う管理業務が整理しやすくなるものの、かえって工数が増えてしまうこともあります。
PCLCMサービスを利用し、外部委託する際は、安心して企業の情報を預けられる委託先を選ぶことが大切です。

監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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