中小企業のPC管理における課題やおすすめの方法を紹介

PC管理

セキュリティー対策

公開:
2024/11/12

中小企業では、情報システム部門の担当者のリソース不足によってPC管理が十分に行えず、セキュリティー対策が不十分だったり、ライセンス違反を起こしていたりする場合があります。

しかし、社内のPCの安全な運用やコストの最適化、企業コンプライアンスを維持するためには、現在社内で何台のPCが利用されているのか、ライセンスの有効期限はいつまでなのかなど、PC管理を徹底することが重要です。

この記事では、PC管理を行う際に生じる課題や、PC管理の重要性、主な管理項目、管理方法についてご紹介します。

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中小企業でのPC管理における主な課題

中小企業では、冒頭で述べた内容に加えて、情シスの業務過多によるリソース不足から十分なPC管理が行えなかったり、管理が徹底できていないことからコストを浪費してしまったりするなど、さまざまな課題が生じる場合があります。
ここでは、PC管理における主な課題についてご紹介します。

本記事では、300人以下の企業を中小企業として定義しています。
※:中小企業庁では、情報サービス業 (サービス業) において「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人」を中小企業と定めており、「ソフトウエア業・情報処理サービス業は、資本金3億円以下または従業員300人以下を中小企業とする場合があります」としています。中小企業の定義についての詳細は、中小企業庁の公式サイトをご確認ください。
出典:中小企業・小規模企業者の定義|中小企業庁

情シス担当者の業務負担によるリソース不足

PC管理を行う情シス部門では、PCの設定や管理業務以外にも、社内で使用しているデバイスやシステムのセキュリティー対策、サーバーの構築、ネットワーク設定などが挙げられます。

これらの業務に加え、「急に社内システムが使用できなくなってしまった」「PCがネットワークにつながらない」などの問い合わせやトラブルへの対応といったヘルプデスク業務もこなさなければなりません。

そのため、多岐にわたる業務を行うことにより、「緊急のトラブル対応に追われて1日が終わってしまった」など、PC管理に割くリソースを確保できない場合があります。

なお、情シスの課題あるある について詳しくご紹介している記事もあります。
ぜひあわせてご覧ください。

情シス担当者の人手不足

中小企業では、情シス担当者の人手不足が課題として挙げられることがあります。

例えば、IPA (独立行政法人 情報処理推進機構) による「デジタル時代のスキル変革等に関する調査 (2023年度)」では、情シスを含むDXを推進する人材の「量」「質」ともに「大幅に不足している」と感じている企業の割合が年々増えており、従業員数が300名以下の中小企業においては、「大幅に不足している」と回答した企業が昨年度よりも約10%増加していることがわかります。

このように、情シス担当者の人数が足りず、メインの業務の一つであるPC管理業務まで手が回らないことも懸念されます。

セキュリティー対策が不十分

ここまでご紹介したように、情シス担当者の業務負担が増えたり、人手が足りなかったりする場合、PCのOSやソフトウエアの更新や、セキュリティー対策が日ごろから行われていないことによって、脆弱 (ぜいじゃく) 性を狙った不正アクセスやウイルス感染といったサイバー攻撃を受けるリスクが高まります。

サイバー攻撃によって企業の機密情報や個人情報などが流出した場合は、セキュリティー対策を十分に行っていない企業として、イメージダウンや顧客からの信用低下、取引の停止などにつながる可能性もあります。

ライセンス管理が徹底できない

社内のPC管理には、PCで使用しているソフトウエアなどのライセンスの管理も含まれます。
しかし、PC管理とあわせてライセンスの管理が徹底できていなかった場合、使用期限が切れたライセンスを使用していたり、一つのライセンスにおける使用可能な人数を超えて使用していたりするといったライセンス違反が生じる恐れがあります。

このようなライセンス違反はソフトウエアの提供元との契約違反となり、企業への信頼を損ねることや、契約の停止、賠償金の請求などさまざまなリスクを引き起こす可能性があるため、常にライセンスの使用期限や各従業員の使用状況を把握しておくことが重要です。

PCの台数や状態を把握できていない

社内で使われているPCの台数を正確に把握できていない場合、社内に在庫があるにもかかわらず、余分にPCを購入してしまうケースも考えられます。
このように社内のPCの台数をあらかじめ把握しないまま必要な台数を購入することによって、コストを浪費してしまったり、余分なPCによって社内のスペースを圧迫したりしてしまいます。

また、こまめにPCの台数や各PCの状態を把握できていない場合、棚卸しの際も負担が生じるでしょう。
万が一故障したPCや古いPCがあった場合は、修理や買い替えが必要となるものの、日ごろから各PCの状態が把握できていないと、これらの不具合への対応が遅れ、業務の進行に支障が出る恐れもあります。

なぜPC管理を徹底する必要があるのか

ここまでご紹介したように、情シスは限られたリソースの中でさまざまな業務をこなさなければならないため、PC管理まで手が回らず、セキュリティー対策が不十分になったり、ライセンスの使用状況を把握できていなかったりするなどの課題が生じます。

そもそもなぜ企業においてPC管理を徹底する必要があるのか、理由をご紹介します。

セキュリティーの強化

先述のとおり、PCを適切に管理できておらず、社内のPCのOSやソフトウエアを最新バージョンにアップデートできていない場合、悪意のある者から脆弱 (ぜいじゃく) 性を狙われやすくなります。

サイバー攻撃を防ぐためには、OSやソフトウエアのアップデートや、セキュリティー対策ソフトなどの導入に加え、従業員が不適切な使い方をしていないか、PCの使用状況の把握が重要です。

このようにPCを最新の状態に保ったり、従業員が不適切な使い方や不審なソフトウエアを使用していないかなどを常に把握したりすることで、サイバー攻撃による情報漏えいなどを防げるため、企業のセキュリティー強化につながります。

無駄なコストの削減

社内で管理しているPCの台数や、ソフトウエアの使用状況などを正確に把握できていないと、社内に誰も使用していないPCやソフトウエアがあるにもかかわらず、余分に新規のPCやライセンスを購入し、コストを浪費してしまう可能性があります。

また、日ごろから各PCやソフトウエアの状態を把握しないまま使い続けることによって、PCの修理や故障による買い替え、ライセンスの更新などで予定外の費用が発生することもあるため、無駄な費用が発生しないよう、管理を徹底することが大切です。

企業のコンプライアンスの維持

適切なPC管理を徹底することでライセンス違反を防げるため、企業コンプライアンスの維持にもつながります。
先述のとおり、使用しているソフトウエアのライセンス期限を過ぎたまま使用していたり、一つのライセンスで利用可能な人数を超えてソフトウエアを使用し続けたりしていることが発覚した場合、ライセンス違反となり契約の停止や賠償金の請求などが生じる恐れがあります。

また、このようなライセンス違反を起こした場合、ライセンスの管理が徹底できていない企業として、ソフトウエアの提供元からの信用が低下することにもつながるため、PCなどのハードウエアの管理とあわせて、社内で使用するソフトウエアやクラウドサービスなどのライセンスの数や使用状況を把握することが大切です。

なお、ソフトウエアの提供元が提示する利用規約や契約プランの内容は、定期的に変更される可能性があります。
そのため、規約変更が通知された際は、必ず目を通しておきましょう。

中小企業における主なPC管理の項目

ここまで、PC管理の課題や、PC管理を徹底する必要性についてご紹介しました。
PC管理では、主に「IT資産管理」「ライセンス管理」「インベントリ管理」の3つの項目に大きく分類できます。
ここでは、それぞれの管理項目において具体的に何をするのかをご紹介します。

IT資産管理

IT資産管理では、PC本体やインストールされているソフトウエア、PCに接続するUSBメモリや外付けHDDといった記憶装置、外部ディスプレーやマウス、プリンターといった周辺機器などのIT資産を管理します。
なお、IT資産管理において管理する製品は、PCに関連する製品以外に、スマートフォンやタブレット、無線LANなども含まれます。

現在社内には何台PCがあり、何台が使用中なのか、新入社員の入社時にすぐに配布できる外部ディスプレーはあるかなどを正確に把握しておくことで、不要な製品の購入を防ぎ、コストの最適化につながります。

ライセンス管理

ライセンス管理 では、契約しているソフトウエアやクラウドサービスなどのライセンスの期限や使用状況などを管理します。
ここまでご紹介したように、ライセンスの期限や利用可能な人数の上限を超えて使用していた場合はライセンス違反となるため、これらのリスクを防げるよう常にライセンスに関する情報を正確に把握しておく必要があります。

なお、ライセンス管理を適切に行うことで、契約はしているものの誰も使用していないライセンスがある場合はすぐに解約するなど対処できるようになるため、コストの浪費も防げます。

インベントリ管理

インベントリ管理では、先述したIT資産で管理するハードウエアやソフトウエア、周辺機器などの情報やライセンス情報を一元管理します。
例えば、PCなどのハードウエアにおけるインベントリ管理では、IPアドレスやファームウエア、CPU、メモリなどの情報を管理し、ソフトウエアにおいてはアップデート状況や使用状況などを管理します。
なお、このような使用状況を正確に把握するための ログ管理 も、インベントリ管理に含まれます。

このようなハードウエアやソフトウエア、ライセンスの情報などを一元管理することで、管理状況を可視化しやすくなり、IT資産管理やライセンス管理を行いやすくなります。

中小企業でPC管理を行う方法

ここまで、PC管理における基本的な管理項目についてご紹介しました。
上記の管理項目を効率よく行いながら適切に管理し、情シス担当者の負担をできる限り減らすためには、以下のような方法で管理を行うのがおすすめです。

表計算ツールでPC管理台帳を作成する

最も手軽に始めやすい方法として、Microsoft Excel や Google スプレッドシートなどの表計算ツールを用いた PC管理台帳の作成 が挙げられます。
普段業務で表計算ツールを使用している場合は、Microsoft 365 への契約や Google への登録の手間など利用の準備が必要ないだけでなく、ある程度使い方を理解した上でツールを使用できるでしょう。

このような表計算ツールを用いることで、自身で必要な行や列、数式などを追加してカスタマイズがしやすいといったメリットがある一方で、基本的に手入力になるため、入力ミスや入力漏れなどのヒューマンエラーが生じやすいデメリットがあります。

また、登録するデータ量が増えてくると、多くのデータを人の手で管理しなければならない手間や、表計算ツール上での処理が追いつかずツールの動作が重くなる可能性もあります。

PC管理ツールを使用する

表計算ツール以外にも、PC管理の専用ツールを用いる方法もおすすめです。
PC管理ツールでは、ツール上で社内のPCの台数や使用状況、各ライセンスの使用状況、各PCの情報やログなどを一元管理できる上に、可視化しやすい点が特長です。
また、システムによる管理となるため、情報の入力ミスといったヒューマンエラーも防ぎやすくなるでしょう。

ただし、ツールの利用には初期費用やランニングコストが発生する場合もあるため、あらかじめ予算を確保しておきましょう。

アウトソーシングをする

情シス担当者の人手が足りない場合や、社内にPC管理ツールを操作できる専門知識やスキルを持つ担当者がいない場合は、アウトソーシングがおすすめです。
IT資産管理やライセンス管理など、PC管理に関する業務をすべて外部の業者に任せられるため、社内の情シス担当者の負担が減り、そのほかの業務に集中しやすくなります。

依頼の範囲によっては費用が高額になる可能性があるものの、専門家によるPC管理やサポートが受けられます。
社内のリソースのみで管理業務が十分に行えていない場合は、アウトソーシングもご検討ください。

中小企業のPC管理は横河レンタ・リースにおまかせ

ここまで、PC管理を行う際におすすめの方法をご紹介しました。

PC管理の見直しを考えている方は、横河レンタ・リースの「Simplit Manager™」がおすすめです。
以下では、サービスの特長をご説明します。

Simplit Manager™

Simplit Manager™ は、当社からPCをレンタルすると無料で利用できるPC管理ツールです。
各PCの基本情報や構成情報などを一元管理できるIT資産管理機能や、PCをどこで誰が利用しているのかの情報をタイムリーに把握できる棚卸機能などが含まれており、PCに関する情報をわかりやすく管理できます。

ほかにも、社内で利用するPCを標準機としてカタログ化し、新規PCをスムーズに手配できるカタログ機能や、PCリプレース時のデータ移行やポリシー設定の手間を削減するリプレース支援機能なども含まれているため、情シスによるPC管理業務の総合的なサポートが可能です。

また、あわせてPCレンタルサービスについてもご紹介します。

PCレンタルサービス

当社のPCレンタルサービスでは、用途に合わせて、必要なときに必要な台数のPCをご利用いただけます。
レンタル期間の延長や解約も可能です。

ご利用中は保守・サポート付きで、故障時には追加料金をいただかずに、すぐに代替機をお届け。
PCの故障による業務停止時間を最小限にとどめます。

また、レンタルPCはすべて動産総合保険に加入しており、火災や落雷、水害などの自然災害、破損や盗難などによる万が一の損害を補償しているため、安心してお使いいただけます。


さらに、当社では、「PC-LCMサービス」として、PCの導入計画から廃棄までの一連の管理業務にかかる工数を軽減することを目的に、それぞれの業務をサポートするサービスを提供しています。

標準で提供している機種選定、調達、故障交換、データ消去に関するサービスに加えて、オプションでキッティングやクローニング、ヘルプデスクもお任せいただけます。

まとめ

この記事では、中小企業でPC管理を行う際に生じる課題や、PC管理の重要性、主な管理項目、管理方法についてご紹介しました。

PC管理の方法では、表計算ツールを用いたPC管理台帳の作成や、専用のPC管理ツールの導入、アウトソーシングなどが挙げられますが、PC管理台帳では手入力によるヒューマンエラーが、PC管理ツールでは設定・運用時に専門的な知識やスキルが必要となる可能性があります。

情シスの負担を軽減しながら適切なPC管理を実現するため、記事内でご紹介した、当社からPCをレンタルいただくと無料で利用できる「Simplit Manager™」についてもぜひご検討ください。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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