脱レガシーシステム。いまどきのITインフラマネジメント
第2回「日々のお守りを楽にする」運用・保守・監視

サーバー・インフラ管理

公開:
2024/07/30
知って得する!お役立ちコラム

ハイブリッド運用の難しさ

近年、多くの企業がハイブリッドインフラを採用していますが、その運用は決して楽ではありません。
オンプレミス環境とクラウド環境は、根本的に異なる特性を持っているためです。

オンプレミス環境では、物理的なハードウエアの管理や、ネットワーク設定、セキュリティー対策など、すべてを自分たちで行う必要があります。
一方、クラウド環境では、仮想化されたリソースを管理し、APIを通じてサービスを利用するなど、従来とはまったく異なるアプローチが必要となります。

さらに、これらの環境を管理するツールやプラットフォームも別々であることが多く、統合的な運用管理を行うことは容易ではありません。
結果として、ITインフラの管理者は両環境の特性を深く理解し、それぞれに適した運用方法を習得しなければならないという課題に直面しています。

日々の運用・保守の課題

構成管理の重要性と困難さ

ITインフラの日々の運用・保守において、構成管理は非常に重要な役割を果たします。
構成管理とは、ITインフラを構成する各要素 (ハードウエア、ソフトウエア、ネットワーク機器など) の状態や関係性を把握し、管理する活動です。

適切な構成管理は以下のような利点をもたらします:

  • ハードウエアの保守やソフトウエアのパッチ管理を効率的に行うことができる
  • システムの変更や拡張の影響範囲を正確に把握できる
  • トラブルシューティングの際に迅速な原因特定が可能

しかし、構成管理の実施は決して容易ではありません。
特にハイブリッド環境では、オンプレミスとクラウドの両方の構成情報を正確に把握し、常に最新の状態に保つ必要があります。
さらに、頻繁に変更が発生するクラウド環境では、構成情報の更新が追いつかないケースも少なくありません。

このような課題に対応するため、構成管理の自動化ツールの導入が進んでいますが、ツールの選定や導入、運用にも相応の工数とスキルが必要となります。

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24/365稼働するシステムの監視と対応

現代のビジネスにおいて、ITインフラは企業の生命線となっています。
そのため、多くのシステムは24時間365日の稼働が求められ、わずかな停止も許されません。

しかし、このような要求に応えるには、以下のような課題があります。

  • 常時監視体制の確立:システムを常に監視し、異常を検知する仕組みの確立
  • 迅速なトラブル対応:問題が発生した際に速やかに対応する体制の準備
  • 人員の確保:24時間体制を維持するための十分な要員の確保

一方で、情報システム部門にも働き方改革が求められる今、これらの要求に応えることは非常に困難です。
特に、深夜や休日の対応は、従業員の健康や労働環境の観点から問題となる可能性があります。

また、トラブル発生時の対応には、高度な技術力と経験が必要です。
しかし、IT人材の不足が深刻化する中、そのような人材を常時確保することは容易ではありません。

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運用・監視・保守のアウトソーシング

これらの課題に対する解決策として、運用・監視・保守業務のアウトソーシングが注目されています。

業務単位での選択的アウトソーシング

人員不足が深刻化する中、企業は社内でやるべきことと外部に任せるべきことを明確に区別する必要があります。
戦略的に重要な業務や、企業の機密情報に関わる業務は社内で行い、それ以外の定型的な業務や専門性の高い業務は外部に委託するという考え方です。

運用・監視・保守業務の多くは、この「外部に委託可能な業務」に該当します。
専門のサービスプロバイダーは、豊富な経験と最新の技術を活用して、効率的かつ高品質なサービスを提供することができます。

柔軟なアウトソーシングサービスの活用

例えば、横河レンタ・リースの Cotoka for Systems のようなサービスは、企業のニーズに合わせて柔軟にアウトソーシングメニューを選択できるのが特徴です。
以下のようなサービスから必要なものだけを選んで利用することができます:

  • システム監視:24時間365日のシステム監視と異常検知
  • 障害対応:トラブル発生時の一次対応と復旧支援
  • パッチ管理:最新のセキュリティーパッチの適用管理
  • 構成管理:ITインフラの構成情報の管理と更新
  • パフォーマンス管理:システムのパフォーマンス監視と最適化

このようなサービスを活用することで、企業は以下のようなメリットを得ることができます

  • 専門性の高い業務を専門家に任せることができる
  • 24時間365日の対応体制を、自社で構築するよりも低コストで実現できる
  • 社内のIT人材を戦略的な業務に集中させることができる
  • 最新の技術やベストプラクティスを取り入れやすくなる

まとめ

ハイブリッドインフラの運用・保守・監視は、従来のITインフラ管理よりもさらに複雑で困難なものとなっています。
しかし、適切なアウトソーシングサービスを活用することで、これらの課題を効果的に解決し、より戦略的なIT活用に注力することができます。

次回は、近年ますます重要性が高まっているセキュリティー対策について、詳しく見ていきます。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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