ゼロトラストセキュリティーとは?
具体的なソリューションや導入方法を紹介

IT基礎知識

セキュリティー対策

公開:
2026/09/01



「クラウドサービスをよく使っているが、セキュリティー対策が十分にできている自信がない」「テレワークを導入しており、社外からのアクセスも多いが不正アクセスが生じないか不安」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

従来のセキュリティー対策では、社内ネットワークを信頼できる領域、社外ネットワークを信頼できない領域として分け、その境界で不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐ「境界型防御」が主流でした。

しかし、クラウドサービスやテレワークの普及により、社外から社内のデータやシステムへアクセスする機会が増えているため、従来のように社内と社外を明確に分けてセキュリティーを維持することが難しくなっています。

そこで注目されているのが、「何も信頼しない」ことを前提に、ユーザーや端末などの状態を確認したうえでアクセスを適切に制御する「ゼロトラストセキュリティー」です。

この記事では、ゼロトラストセキュリティーとは何かを、企業にとって重要な理由や導入状況、導入メリット・デメリット、具体的なソリューション、導入方法をご紹介します。

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ゼロトラストセキュリティーとは

ゼロトラストセキュリティーとは、「ゼロトラスト」の概念に基づいたセキュリティー対策を指します。

ゼロトラストとは、社内で管理するPCやスマートフォンなどの端末や、ユーザーからのアクセスを無条件に信頼せず、それぞれの状態を確認したうえでアクセスを適切に制御する考え方です。

この考え方に基づいてアクセスを制御することで、たとえ社内からのアクセスであったとしても、信頼できるアクセスであるか都度検証する必要があります。
その結果、不正アクセスや情報漏えいのリスクを低減し、より社内のセキュリティーを強化できます。

これまでのセキュリティー (境界型防御) との違い

これまでのセキュリティー対策は、社内からのアクセスは信頼できるもの・社外からのアクセスは信頼できないものとする「境界型防御」が主流でした。

社内のユーザーが社外からアクセスする際、これまでは VPN (Virtual Private Network) が利用されており、認証後に社内ネットワークへ接続できる仕組みが一般的でした。
VPN では、認証を通過して社内ネットワークに接続すると、その内側を信頼してアクセスを許可するため、認証情報が不正利用された場合には、社内のシステムやデータへ不正アクセスされるリスクがあります。

一方で、ゼロトラストセキュリティーは、社内外を問わずすべてのアクセスが安全なものであるかを検証し、必要な範囲にのみアクセスを許可します。
このような仕組みにより、万一の不正アクセスや情報漏えいがあった場合にも、被害の拡大を抑えやすくなります。

ゼロトラストセキュリティーが重要な理由

上記のように、従来のセキュリティー対策とは異なる考え方を持つゼロトラストセキュリティーですが、現在では企業における重要なセキュリティーの考え方として注目されています。

その背景には、クラウドサービスの普及やテレワークなどによる働き方の変化、サイバー攻撃の多様化・高度化などがあります。
こうした変化によって、社内ネットワークと社外ネットワークの境界だけでセキュリティーを確保することが難しくなっています。
ゼロトラストセキュリティーが重要な理由は、以下のとおりです。

クラウドサービスの普及

クラウドストレージや SaaS などをはじめとしたクラウドサービスを利用する企業は増加しています。
業務システムやデータをクラウド上で管理するケースが増え、社員が社内外を問わずアクセスする機会も拡大しています。

こうした環境では、従来の VPN やファイアウォールを中心とした境界型防御だけでは、多様化するアクセスへの対応が十分ではない場合があります。
また、認証情報の漏えいやアクセス権限の設定ミスなどによって、不正アクセスや情報漏えいが発生するリスクもあります。

そのため、社内外の区別なくすべてのアクセスを検証し、ユーザーや端末の信頼性を確認するゼロトラストの考え方が重要視されています。
クラウドサービスを安全に活用するためには、アクセスごとに適切な認証・認可を行うことが重要です。

働き方の多様化

ここ数年で、テレワークやハイブリッドワークが普及し、オフィス以外にもさまざまな場所で業務を行うケースが増加しました。
このような働き方の多様化により、社外から業務システムやクラウドサービスへアクセスする機会が増え、アクセス管理が複雑化しています。

さらに、企業が許可していないクラウドサービスやツールが利用されるケースもあります。
こうしたシャドーITは情報漏えいや機密情報の管理上のリスクにつながる可能性があり、企業が利用状況を適切に把握・管理することを難しくしています。

このような場所を問わない働き方に対応するため、社内外を問わずユーザーや端末、アクセス状況を継続的に検証するゼロトラストの考え方が注目されています。

サイバー攻撃の多様化・高度化

ランサムウエアやマルウエア、標的型攻撃に加え、取引先や委託先を経由して侵入を試みるサプライチェーン攻撃など、サイバー攻撃は年々多様化・高度化しています。
そのため、従来の境界型防御だけでは十分に対応できないケースも増えています。

境界型防御では、一度内部への侵入を許してしまうと、社内で被害が拡大する可能性があります。

このようなサイバー攻撃の多様化や高度化にも対応できるよう、社内外を問わずすべてのアクセスを検証したうえでアクセスを制御することが重要とされています。

ゼロトラストセキュリティーの導入状況や今後の展望

上記のとおり、クラウド利用が増加していたり、サイバー攻撃が多様化・高度化していたりする近年では、企業でゼロトラストセキュリティーの導入や検討が進んでいます。

実際に、2023年に公開されたデジタル庁による「民間企業におけるゼロトラスト導入事例」によると、リモートワークの整備や安全なクラウド利用などを背景として、業界を問わず、ゼロトラストの考え方を取り入れる企業が増えています。

また、今後の方向性としてもゼロトラストセキュリティーの重要性は高まっています。

デジタル庁の「国・地方ネットワークの将来像および実現シナリオに関する検討会 報告書」では、2030年頃の国・地方ネットワークの将来像として、「ゼロトラストアーキテクチャの考え方を導入したセキュリティー確保・柔軟な働き方の実現」を掲げています。
ゼロトラストアーキテクチャとは、ゼロトラストの考え方に基づく仕組みや設計です。

このように、ゼロトラストは特定の業界に限らず、多くの企業や組織で導入・検討が進められています。
今後も、クラウド活用や柔軟な働き方を支えるセキュリティー対策として、その重要性はさらに高まっていくでしょう。

ゼロトラストセキュリティーを導入するメリット

上記のとおり、ゼロトラストセキュリティーは今後もデジタル社会において重要な考え方であるといえますが、企業で取り入れることで具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。
以下では、メリットをご紹介します。

クラウドサービスを活用しやすくなる

ゼロトラストセキュリティーを導入することで、ユーザーや端末ごとのアクセス権限を管理しやすくなります。

これにより、部署や役職、業務内容ごとに限られた範囲の情報のみ閲覧できるようになるため、必要な権限のみを付与し、 情報漏えいなどのリスクを抑えられます。

このように柔軟にアクセス制御が行えることから、日常的なクラウドサービスの利用だけでなく、SaaS やクラウドストレージなどのクラウドサービスを用いたシステムを利用する際も、セキュリティーを維持しながら利用できるようになるでしょう。

このように、ゼロトラストセキュリティーはクラウド利用に伴うリスクを軽減しながら、業務の利便性向上にもつながります。

場所に左右されず安全にアクセスできる

ゼロトラストセキュリティーでは、アクセス元の場所だけでなく、ユーザーや端末の情報なども確認してアクセスを制御できます。

そのため、社外である自宅や外出先からアクセスした際も、安全性を確保しながら社内のシステムやデータにアクセスできるようになります。

このように、場所を問わず適切にアクセス制御ができる状態になることで、テレワークやハイブリッドワークを導入している企業でも、セキュリティー対策を行いやすくなります。

セキュリティーリスクを継続的に把握・管理できる

ゼロトラストセキュリティーを導入することで、すべてのアクセスに対してユーザーや端末の情報を確認するため、継続的にアクセス状況を可視化し、把握・管理できるようになります。

これにより、アクセスログを確認して「誰が・いつ・どの情報にアクセスしたのか」など状況を把握しやすくなるため、不審なアクセスの兆候があった際も早期発見につながりやすくなります。

不審なアクセスに対処するだけでなく、アクセス権の棚卸しや見直しがしやすくなることから、セキュリティーリスクを継続的に管理・改善できる点もメリットであるといえます。

このような継続的な監視や運用を実現する方法として、EDR (Endpoint Detection and Response) や SOC (Security Operation Center) の活用があります。

当社では、不審なアクセスやマルウエアのリアルタイム検知を行う EDR と、攻撃に対する素早い対処を行う組織である SOC のサービスがセットとなったパッケージ「Cybereason Core Suite | SOC Plus」を提供しています。

これにより、24時間365日PCやスマートフォンなどの不審な挙動を検知し、脅威に対して素早く対処する環境を整えられます。

なお、EDR や SOC について詳しくは、以降の「ゼロトラストセキュリティーを実現するための具体的なソリューション」で詳しくご紹介します。

ゼロトラストセキュリティーを導入するデメリット

上記のとおり、ゼロトラストセキュリティーを導入することでさまざまなメリットが得られますが、導入時に既存システムとの連携対応が必要だったり、認証プロセスが増えることで業務負担を感じたりする可能性があるなど、デメリットもあります。

既存システムとの連携に対応が必要になる場合がある

ゼロトラストセキュリティーを実現するためには、認証基盤やアクセス制御ツールなどを既存システムと連携させる必要があります。

既存のシステムが古い場合は、最新の認証方式と互換性がなく連携できない可能性もあります。
システムの改修や設定変更、運用ルールの見直しなどが必要になるケースもあるため、導入前には、既存システムとの連携可否や運用への影響を事前に確認することが重要です。

認証プロセスが増えて業務効率が低下する可能性がある

導入後は社内外を問わずすべてのユーザーや端末、アクセス状況を都度確認するため、情シスでは、認証ポリシーの設計やアクセス権限の見直し、運用ルールの整備などが必要になる場合があります。

また、ユーザー側も追加の認証が求められることで社内システムへアクセスするのに時間がかかり、利便性が低下したと感じる場合があります。
このような課題が生じないよう、一つのIDで複数のクラウドサービスにログインできるシングルサインオン (SSO) などを導入するのもおすすめです。
認証の手間を軽減できるため、利便性を維持しながらゼロトラスト環境を運用しやすくなります。

専門知識を持つ担当者が不足する可能性がある

導入にあたって、運用環境の設計や構築を進める際には、専門知識に長 (た) けた担当者が必要です。
しかし、このような専門家が社内にいない場合は、導入計画の策定や運用設計に時間を要する可能性があります。

実際、多くの企業ではセキュリティー人材そのものの不足に加え、必要なスキルを持つ人材が不足していることも課題となっています。

サイバーセキュリティー専門家向け非営利会員組織であるISC2による調査「2025年 ISC2 サイバーセキュリティー人材調査」によると、これまでは専門知識を持つサイバーセキュリティー人材の人手不足が主な課題として挙げられていたのに対し、2025年は人材のスキル不足が最大の課題として挙げられています。

そのため、社内にサイバーセキュリティーに関する十分な知識やスキルを持つ担当者がいない場合は、新たに人材を採用するほか、既存社員を育成する必要があります。

ゼロトラストセキュリティーを実現するための具体的なソリューション

ここまで、ゼロトラストセキュリティーを導入するメリット・デメリットをご紹介しました。
両者を理解したうえで、このような環境を実現するためにはどのようなソリューションを導入すればよいかをご紹介します。

エンドポイントセキュリティー

エンドポイントセキュリティーは、PCやスマートフォンなどのユーザーが使用するデバイス (エンドポイント) を保護することを指します。
エンドポイントセキュリティーでは、主に以下のようなソリューションが挙げられます。

EPP (Endpoint Protection Platform) デバイスへ侵入するウイルス・マルウエアの検知、対処
EDR (Endpoint Detection and Response) デバイスへの不審なアクセスなど異常の監視、対処
MDM (Mobile Device Management) デバイスの遠隔制御、遠隔でのポリシー配布
NGAV (Next Generation Anti-Virus) AIや機械学習などを活用した未知のウイルス・マルウエアの検知、対処

こうしたソリューションを組み合わせることで、端末の管理や不審な挙動の検知、マルウエアへの対処などを行いやすくなります。

EDR や MDM については、以下の記事でもご紹介しているので、あわせてご覧ください。

ネットワークセキュリティー

ゼロトラストセキュリティーでは、ユーザーや端末の状態に応じてアクセスを制御するため、ネットワークセキュリティーも重要な役割を担います。
ネットワークセキュリティーとは、ユーザーや端末から社内システムやクラウドサービスへアクセスする際の通信やアクセスを安全に管理するための対策です。
ネットワークセキュリティーでは、主に以下のようなソリューションが挙げられます。

ZTNA (Zero Trust Network Access) ユーザー・デバイスの検証、ユーザーに合わせたアクセス制御
CASB (Cloud Access Security Broker) クラウドサービスの利用状況の可視化・管理
SWG (Secure Web Gateway) Webアクセスの監視、不審なサイトへのアクセス制限
RBI (Remote Browser Isolation) Webコンテンツのリモート環境での実行、ウイルス・マルウエアの侵入防止
SD-WAN (Software Defined Wide Area Network) 通信経路の一元管理・最適化

ネットワークセキュリティーを実現する際は、SASE (Secure Access Service Edge) という考え方が有効です。

SASE は、IT環境におけるネットワーク機能とセキュリティー機能をクラウド上で統合的に提供する考え方であり、ZTNA や CASB、SWG といったセキュリティー機能と SD-WAN などのネットワーク機能を連携させることで、運用効率の向上やセキュリティーの強化が期待できます。

アイデンティティーセキュリティー

アイデンティティーセキュリティーは、ユーザーやシステムのアイデンティティー (ID) 情報を管理し、認証やアクセス権限を適切に制御するためのセキュリティー対策を指します。
アイデンティティーセキュリティーは、主に以下のようなソリューションが挙げられます。

IDaaS (Identity as a Service) クラウド上でのID情報、認証情報の一元管理
ITDR (Identity Threat Detection and Response) ID情報の窃取や権限の不正利用といった脅威の検出
ISPM (Identity Security Posture Management) ID情報やアクセス権限の設定状況の可視化

また、多要素認証 (MFA) やシングルサインオン (SSO) と組み合わせることで、本人確認を強化しながら利便性を維持しやすくなります。

このようなソリューションを活用することで、社内ユーザーやシステムのID情報を一元管理したり、ID情報の窃取・不正利用といった脅威からの保護が可能になります。

セキュリティー監視・運用

ゼロトラストセキュリティーでは、アクセスの検証だけでなく、異常の検知と継続的な監視・運用も重要な要素です。

セキュリティー監視・運用では、自社で管理するデバイスやシステムなどが不審な挙動をしていないか、サイバー攻撃の兆候がないかなどを監視し、万が一インシデントがあった際に速やかに対処します。

主なセキュリティー監視・運用を支えるソリューションや運用体制は、以下のとおりです。

SOC (Security Operation Center) 専門組織によるサイバー攻撃の検知、分析、対処
SOAR (Security Orchestration, Automation and Response) 脅威・アラートの集約・分析、対処の実行、管理者への報告・通知などセキュリティー運用の自動化
SIEM (Security Information and Event Management) ログの収集・相関分析を行い、不審な挙動やインシデントの兆候を検知

このようなソリューションを用いることで、自社のデバイスやシステムが危険にさらされた際も、専門組織やシステムによって素早く対処できるため、セキュリティー運用業務を効率よく行えます。

当社では、上記でもご紹介したエンドポイントセキュリティーソリューションである EDR と、セキュリティー監視・運用ソリューションである SOC がパッケージとなった、「Cybereason Core Suite | SOC Plus」を提供しています。

EDR から検知された情報の分析には専門知識が求められますが、本サービスではサイバーセキュリティーの専門組織である SOC によって素早く分析・対処が行えるため、手軽に強固なセキュリティー対策を実現できます。

サービスについて詳しくは、以下のページをご覧ください。

データ・アプリケーションの保護

ゼロトラストセキュリティーでは、ユーザーや端末だけでなく、重要なデータやアプリケーションそのものを保護することも重要です。

データ・アプリケーションの保護では、社内の重要データやアプリケーションへの不正アクセス、および情報漏えいの防止を行います。

データ・アプリケーションの保護で用いられるソリューションは、以下のとおりです。

IRM (Information Rights Management) 作成したファイルの暗号化、ユーザーごとの操作・閲覧権限の制御
DLP (Data Loss Prevention) 外部へのデータ送信・アップロードによる情報漏えいの防止

このようなソリューションを用いることで、必要な範囲にのみ社内データへのアクセス許可ができ、不正アクセスや情報漏えいを防ぎやすくなります。

ゼロトラストセキュリティーの導入方法

ここまで具体的なソリューションをご紹介しましたが、これらのソリューションを導入する前には、あらかじめ念入りに導入計画を立て、導入後も検証しながら運用体制を改善させることが大切です。

ゼロトラストセキュリティーの導入方法は、次のとおりです。

現在のセキュリティー状況を把握する

まずは、現在自社で導入しているシステムや運用環境、取り組んでいるセキュリティー対策などを洗い出し、現在のアクセス管理や認証、端末管理、クラウド利用に関する課題などセキュリティー上で抱えている課題や、導入によって解決したい課題を明確にしましょう。

課題を明確にしておくことで、将来的にどのようなセキュリティー環境を実現したいのか、どのように導入を進めるかなど計画を立てやすくなります。

目指すセキュリティー環境と導入計画を立てる

現状把握と課題の抽出ができたら、目指すセキュリティー環境と実現に向けた導入計画を立てます。

まずは、上記で抽出した課題に基づき、保護対象となるデータやシステムを整理し、ユーザーや端末ごとにどのようなアクセス制御を行うかを検討したうえで、誰がどこまでの範囲にアクセスできるのか、基本的なセキュリティー方針を定め、目指す環境に沿った計画を策定しましょう。

また、具体的な導入計画を立てる際は、重要度が高いものやセキュリティーリスクの大きい領域から優先的に進められるよう設計することが大切です。
一度にすべての課題を解決しようとするのではなく、無理なく行えることから段階的に進めることをおすすめします。

経営層の承認を得る

ゼロトラストセキュリティーは、複数のシステムや運用ルールに影響するため、経営層の理解と支援を得ながら進めることが重要です。
導入計画が完成したら、導入に向けて経営層からの承認を得ましょう。

このとき、取り組む目的や現状に対する重要度の高さ、放置することで生じるリスク、導入による効果、ソリューションの導入にかかるコストなどを共有することで、経営層からの理解を得やすくなります。

ソリューションを選定する

経営層からの承認が下りたら、課題解決に向けてソリューションを選定します。

例えば、「PCやスマートフォンをより強固なセキュリティーのもと管理したい」という課題を抱えていたら、エンドポイントセキュリティーを実現する EDR や MDM の導入が適しています。

ほかにも、「ID情報を安全に保護したい」という課題を抱えていたら、アイデンティティーセキュリティーを実現する IDaaS や ITDR、「セキュリティー監視・運用を効率化したい」という課題を抱えていたら、SOC や SOARなど、「ゼロトラストセキュリティーを実現するための具体的なソリューション」で紹介したセキュリティー対策やソリューションの中から、必要なものを選びましょう。

一度にすべてのソリューションを導入するのではなく、自社の課題やロードマップに応じて段階的に整備していくことが重要です。

検証しながらシステムを構築する

導入するソリューションが決定したら、実際に導入に向けてシステムの構築・検証を進めます。

導入時はいきなり全社的に公開して利用を始めるのではなく、一部の範囲で PoC (検証) を行い、フィードバックされた内容をもとに本格導入に向けて改善を進めましょう。

利用ルールや運用体制を整備する

導入にあたって認証作業が変化するなど、これまでの業務手順から変更がある場合は、本格導入前に社員にわかりやすく説明することが大切です。

せっかく高性能なソリューションを導入しても、社員に活用してもらえなければセキュリティー課題を解決できません。

また、認証方法の変更やアクセスルールの見直しに合わせて、運用ルールや問い合わせ対応体制を整備することも重要です。

社員への説明や問い合わせ対応と並行し、必要に応じて社内体制を再度整えたうえで、本格導入へ臨みましょう。

定期的に効果検証しながら改善を続ける

ゼロトラストセキュリティーは導入して終わりではなく、継続的な見直しと改善が重要です。

サイバー攻撃は日々多様化・高度化しているため、現在の運用環境で大きな問題が発生していない場合でも、将来的には脆弱 (ぜいじゃく) 性を狙われ、攻撃を許してしまう可能性があります。

定期的に現在のセキュリティー状況や運用体制を見直し、安全性を維持できているかを確認しましょう。

ゼロトラストにおける端末・データ保護と「データレスPC™」

ここまで、ゼロトラストセキュリティーの導入方法をご紹介しましたが、ソリューションを選定したり、運用環境を構築したりする際に、コストや導入工数が気になる方も多いでしょう。

ゼロトラストセキュリティーでは、ユーザーや端末だけでなく、重要なデータへのアクセスを適切に制御することも重要です。
特に、端末内に機密情報を保存しない運用は、情報漏えいや端末紛失時のリスクを低減するうえで有効な対策といえます。

当社が提供する「データレスPC」は、PCのローカルディスク上にデータを残さないPC運用を実現するソリューションです。
クラウドストレージやファイルサーバー上のデータを利用する仕組みのため、端末内にデータを保存せずに業務を行えます。

データレスPC は、VDI (仮想デスクトップ基盤) や DaaS (クラウド上の仮想デスクトップ基盤) のような大規模な仮想環境を新たに構築する必要がなく、既存PCを活用しながら導入できるため、コストや導入負荷を抑えやすい点も特長です。

データレスPCの詳細は、以下のページをご覧ください。

まとめ

この記事では、ゼロトラストセキュリティーとは何かを、企業にとって重要な理由や導入状況、導入メリット・デメリット、具体的なソリューション、導入方法をご紹介しました。

クラウドサービスの利用頻度が増え、テレワークなど働き方が多様化した現在では、従来の境界型防御だけでは十分に対応できないサイバー攻撃に備えるため、ユーザーや端末、アクセス状況を継続的に検証しながらアクセスを制御する考え方が重要です。

また、ゼロトラストセキュリティーは一度に完成させるものではありません。
自社の課題や環境に応じて、エンドポイントセキュリティーやアイデンティティーセキュリティー、セキュリティー監視・運用などを段階的に整備していくことが重要です。

当社では、エンドポイントのセキュリティー運用を強化・効率化するソリューション「Cybereason Core Suite | SOC Plus」を提供しています。

EDR で検知した脅威の分析や対処、復旧といった作業は、通常人の手で行う必要がありますが、専門的な知識やスキルが求められます。

本サービスでは、サイバーセキュリティーの専門組織である SOC が、EDR で検知した脅威への対処を行うため、高品質なセキュリティー対策を手間なく実現できます。

サービスの詳細は、以下のページをご覧ください。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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