情シス業務を効率化する方法7選!実施時の注意点など詳しく紹介

PC管理

公開:
2024/08/19

情シス (情報システム部門) では、慢性的な人手不足や属人化など、さまざまな課題が挙げられます。
一人ひとりの業務負担が重くなりがちな情シスのリソースに余裕を持たせるためには、ノンコア業務を自動化やアウトソーシングするなど、業務効率化が必須です。

この記事では、情シス業務を効率化させるための具体的な方法をご紹介します。
横河レンタ・リースが提供するおすすめサービスもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

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情シス業務を効率化させる方法

情シス業務を効率化させるためには、次のような方法が挙げられます。

ここでは、情シスにおける主な課題 を改善するための業務効率化の方法や、具体的な活用例、施策の実施時における注意点について詳しくご紹介します。

マニュアルや社内FAQの強化

情シスのリソースを圧迫する原因の一つとして、従業員からの問い合わせ対応などのヘルプデスク業務が挙げられます。

このようなノンコア業務に追われて本来取り組むべきコア業務に取り組む時間がなくなることを防ぐために、簡単な不具合や各デバイスの基本的な使い方などは、従業員が個人で解決できるよう社内でマニュアルやFAQを整備することが大切です。

パソコンやスマートフォンなどの各デバイスや社内で使用するシステムの取り扱い方法、トラブル時の対処方法、従業員からよく寄せられる質問などをマニュアルやFAQにまとめ、自己解決を促すことで、マニュアルやFAQで記載されている事項は、従業員が情シスへ問い合わせることなく自力で解決できるようになります。

すべてのヘルプデスク業務をなくすことはできないものの、マニュアルやFAQを整備しておくことで情シスの負担が減るだけでなく、従業員のITリテラシーの向上にもつながります。

具体的な活用例

社内マニュアルでは、主に新入社員の入社時に、各種デバイスや社内システムの基本的な取り扱い方法を記載した入社マニュアルや、デバイスのトラブルの対処法を示した運用マニュアル、また、社内の機密情報や個人情報の安全な取り扱いを実現するためのセキュリティーマニュアルなどが例として挙げられます。

FAQでは、「急にパソコンの電源がつかなくなってしまった」「社内システムにログインできない」など、従業員からの問い合わせが特に多い内容を上記のマニュアルからピックアップし、質問・回答形式でまとめることで、わかりやすく問題解決へ導くことができます。

実施時の注意点

マニュアルやFAQの作成時は、読みやすい文章を意識し、簡潔にまとめます。
また、新入社員やITに関する知識が少ない従業員が読んでも理解しやすくなるよう、専門用語はできるだけ使わず、かみ砕いた文章を心がけましょう。

マニュアルやFAQを作成した後は、従業員が業務中にトラブルが生じた際、最初に情シスではなくマニュアルやFAQを確認する体制が整えられるよう、作成したマニュアルやFAQを社内に浸透させることが重要です。

なお、手順通りに操作できるかを確認し、OSやシステムのアップデートによって手順が変わっていないかの見直しや内容の更新も欠かさずに行いましょう。

情シス用のマニュアルやFAQの作成

社内全体の従業員に対するマニュアルやFAQに加えて、情シス内でもマニュアルやFAQを整備しておきましょう。

情シスは少人数で業務を担わなければならないケースや、なかなか新しい担当者を採用できず人手不足が深刻化しているケースもあります。
このような企業では特定の業務が一部の担当者に偏り、属人化が生じやすくなります。

情シス業務の属人化が進むことで、担当者の欠勤や退職などにより、緊急のトラブルや問い合わせへの対応が遅れてしまう恐れがあるため、どの担当者でもあらゆる情シス業務をカバーできるよう、情シス内でもマニュアルやFAQを作成しておくことが大切です。

具体的な活用例

情シス用のマニュアルやFAQを作成する際は、各情シス担当者が行っている業務に関する基本的な流れやトラブル時の対処法などを記載します。

また、これまでに起こった大きなトラブルや緊急対応の内容もあわせて記載しておくことで、同様の対応が必要になった際もスムーズに動けるでしょう。

実施時の注意点

社内でのマニュアルやFAQと同様に、情シス内でも普段担当していない業務や専門外の分野に関しては、専門用語の多い文章は内容を理解しきれない可能性があるため、初心者でもわかりやすい説明を心がけましょう。

また、情シスの業務は迅速な対応が求められるものも多く、マニュアルの検索に時間がかかってしまうことによる対応の遅延や、トラブルの被害拡大などのリスクもあります。

そのため、素早く必要な情報を取り出せるように検索機能や各項目へのタグを充実させたり、手を動かしながらでも内容をすぐに把握できるよう、簡潔な文章を作成したりするといった工夫も重要です。

AI搭載チャットボットの活用

社内マニュアルやFAQの整備とあわせて、事前に登録した質問と回答内容に沿って自動で対応できるシナリオ型チャットボットを導入している企業も多いでしょう。
マニュアルやFAQに記載した内容をチャットボットに読み込ませることで、従業員の業務中に生じた疑問やトラブルを情シスの代わりに解決できます。

しかし、このようなチャットボットを使用する上で、質問と回答の登録作業に時間がかかったり、登録漏れがあることで社内マニュアルやFAQに記載されている内容を質問されたにもかかわらず、うまく回答できなかったりすることもあります。
このとき、AI技術を用いたチャットボットを活用することで、FAQの登録作業を効率化することができます。

具体的な活用例

AI搭載チャットボットでは、質問と回答を登録して運用するシナリオ型チャットボットと同様に、社内マニュアルやFAQと連携させた活用方法が挙げられます。

特に生成AIを活用したチャットボットでは、質問や回答を用意すれば自動でFAQを作成できます。

そのため、AI搭載チャットボットが「業務で困ったときの問い合わせ先」としての役割を果たせるため、情シスの負担軽減に大いに役立つでしょう。

実施時の注意点

AI搭載チャットボットはマニュアル・FAQ外の内容にも反応できるものの、正確な回答ができていない場合もあります。
また、AI搭載チャットボットであってもメンテナンスが必要なため、その分工数が増える点に注意が必要です。

万が一チャットボットの誤った回答により業務の進行に支障が出ないよう学習データを充実させて回答精度を高めたり、「特定の分野に関する問い合わせはチャットボットを介さず直接情シスに連絡する」などのルールを設けたりするとよいでしょう。

また、チャットボットはさまざまな機能、特徴を持ったツールが豊富に提供されています。
自社に合ったものを使用できるよう、無料トライアルなどで使用感を確かめた上で適切なツールを選ぶことをおすすめします。

RPAとAIの活用

定型業務を自動化するRPA (Robotic Process Automation) を活用している企業も多いでしょう。
しかし、RPAでは決まった流れの作業のみを自動化させるため、臨機応変な対応ができない点が課題です。

そこでAIを使用することで、定型業務に加え、人間が分析や意思決定をしなければならない作業においてもAIがサポートできるため、より業務を効率化することができます。

具体的な活用例

RPAやAIは、サーバーやネットワークなどの障害予兆を検知する際に活用できます。
RPAでシステムログなどの各種ログをはじめとしたデータを収集し、AIを活用して集めたデータを分析し、異常が見られる箇所を発見します。

監視装置を用いている場合は、障害の発生後に検知されるため、事前の予測が行えません。
しかし、AIでは障害が生じるパターンを学習することで、収集したログと障害のパターンを照らし合わせ、障害予兆を検知できます。

実施時の注意点

先述したチャットボットでの自動回答などAIによって行える作業も増えているものの、すべての作業をAIに行わせることはできません。

障害の予兆検知においても、データ収集をRPAで、データ分析はAIでそれぞれ行えるものの、AIに読み込ませるためのデータの加工や、想定通りの結果が得られなかった際の学習のし直しなどは人の手で行わなければならないため、用途によってはかえってリソースを圧迫してしまう可能性も考えられます。

クラウドサービスの導入

クラウドサービスは、インターネットを介してインフラやソフトウエアを利用できるサービスです。

クラウドサービスはSaaS、PaaS、IaaSの3種類に分けられ、それぞれ提供されるサービスは異なりますが、基本的にベンダー側が提供するサービスを利用するだけなので、環境構築やメンテナンスなどの業務を軽減できます。

最近では、社内でのシステム障害やトラブル対応、セキュリティー対策、社内で利用しているさまざまなITツールの管理など、情シス業務を支援する情シス向けのクラウドサービスも豊富に展開されています。

具体的な活用例

情シス向けのクラウドサービスでは、サーバーやネットワークの運用や監視、従業員の各種アカウントやセキュリティーポリシーの管理、システム障害におけるログ解析や復旧などのトラブル対応など、情シスが行う基本的な業務をサポートできるため、情シスの人手不足や属人化が課題となっている企業における担当者一人ひとりの業務負担を減らせます。

なお、サービスによっては、上記の情シス業務のサポートに加えて、システムのBCP (事業継続計画) やDR (災害復旧対策) の計画支援や新たなシステムの導入支援などコンサルティングが可能なものもあります。

実施時の注意点

クラウドサービスを利用する場合、セキュリティー対策や災害時の対策を十分に行っており、信頼できるベンダーであるか見極めることが重要です。

また、クラウドサービスを利用することで、自社の機密情報をサービス側へ委ねることとなるため、情報漏えいなどのリスクを防げるよう従業員のITリテラシーやセキュリティー意識の向上も図りましょう。

情シス業務のアウトソーシング

情シス業務を社内でカバーしきれない場合は、アウトソーシングする方法も挙げられます。

社内であらゆる情シス業務を行う場合、情シスのリソースを圧迫するだけでなく、業務を行うためのシステム導入費用などがかかります。
アウトソーシングをすることで、業務委託における費用はかかるものの、情シスの業務負担を大きく軽減できるでしょう。

なお、アウトソーシングをする場合は、あらかじめ情シスが行っている業務範囲を明確化し、どこまでの業務を外部企業に任せるかを検討することで過不足なく委託できます。

具体的な活用例

アウトソーシングできる情シス業務では、社用デバイスのセットアップおよび管理、サーバーの構築や管理、社内で利用するシステムやアプリケーションの運用や管理などが挙げられます。

ほかにも、問い合わせ対応などのノンコア業務や毎日行う定型業務、社内で新たに導入するシステムの選定やIT研修の企画をサポートしてもらうコンサルティング業務などのアウトソーシングも可能です。

実施時の注意点

アウトソーシングする場合は、先述のとおり委託費用が発生します。
そのため、社内でシステムを導入して自動化させ、社内で対応するほうがコストを抑えられるのか、外部に委託したほうがコストを抑えつつ生産性の向上を見込めるのかなど、費用対効果を考えながら委託する業務を検討することが大切です。

また、委託する業務によっては社内の機密情報や個人情報を外部企業に預けることもあります。
そのため、委託先の管理が不適切であることによる情報漏えいなどが発生するリスクを防ぐためにも、事前に必ず委託先のセキュリティーポリシーを確認し、秘密保持契約を結びましょう。

業務内容を見直す

情シスのリソースが圧迫されている場合は、一度現在取り組んでいる業務をすべて洗い出し、情シスが行うべきコア業務と、情シスが行う必要のない業務や優先度が低いノンコア業務を分類することもおすすめです。

また、どの業務が最も負担となっているのかなども明確にすることで、ツールでの自動化やアウトソーシングする業務も絞り込みやすくなります。

例えば、主な業務リソースを圧迫する原因として、従業員が使用するパソコンやスマートフォンなどのIT資産の使用状況やアカウント情報などを、情シスが個別に管理していることが挙げられます。
デバイスの数が増えるにつれてアップデートやメンテナンスの管理業務の負担が増加するだけでなく、管理が行き届いていないことによる不正利用のリスクも懸念されるでしょう。

Flex Work Place では、多くのデバイスを管理する企業においても管理の負担を抑えつつ、安全な運用を可能にするソフトウエアを提供しています。

具体的な活用例

業務内容を見直す際は、業務一覧表を作成し、業務にかかる時間や対応頻度、難易度などの項目をまとめます。
記入した項目の内容に沿って各業務の年間作業時間を算出することで、どの業務が特に負担となっているかを可視化できます。

このように業務の負荷や難易度を可視化することで、マニュアルに追加すべき内容があるか、難易度が低い業務はアウトソーシングするかなどを判断しやすくなり、経営者からの了承を促しやすくなるでしょう。

実施時の注意点

業務内容を見直すにあたっては、ただ業務内容を洗い出すだけでなく、次のようなフレームワークを活用することで、業務のプロセスや課題点を抽出しやすくなります。

フレームワーク 概要
ECRS (イクルス) 業務の改善点を洗い出す
BPMN (ビジネスプロセスモデリング表記法) 業務の開始から終了までの作業工程をフローチャート化する
ロジックツリー 業務の負担となる要素の原因などをツリー状に書き出し、整理する
バリューチェーン分析 業務の各工程における問題点を抽出する
各工程で生じる付加価値を把握する

また、業務内容を一通り洗い出した後は、どの業務から改善すべきか優先度をつけることも大切です。
優先度が高いものから順番に、ツールを導入するのか、アウトソーシングするのかなど、改善策を検討しましょう。

情シス業務を効率化するなら横河レンタ・リースのサービスもおすすめ

ここまで、情シスの業務を効率化する方法をご紹介しました。
当社においても、情シスの業務効率化をサポートするサービスとして、「 Flex Work Place 」「 Microsoft 365 付きノートパソコンレンタル 」「 Cotoka for PC 」を提供しているため、詳しくご紹介します。

Flex Work Place

Flex Work Place では、お客さまのパソコン運用環境に合わせて、データレスPC™ソリューションの「 Passage 」「 Passage Drive 」、Windows パソコン運用支援ソリューションである「 Unifier Cast 」「 AppSelf 」の4つのソフトウエアを提供しています。

PassagePassage Drive では、ローカルディスクにデータを残さないデータレスPC™を実現し、リモートワーク環境での端末紛失、盗難時にも社内の重要なデータを安全に保持できる点から、情シスのセキュリティー対策やデバイス管理における負担を軽減します。

Unifier Cast では、大容量のデータを多数のパソコンにネットワーク負荷をかけずに配信することが可能です。
大型の Windows Update を行う際も、スムーズに配信できます。
また、アップデート状況を一目で把握できるダッシュボード機能を搭載しているため、使用デバイスが多い企業においても情シスが簡単にアップデート状況を把握できます。

AppSelf は、ユーザーに管理者権限を与えずに、ユーザー自身の操作で管理者が許可したアプリケーションだけをインストールさせることができるアプリケーション配布管理ツールです。
管理者権限を付与せず、従業員自身でインストール作業を進められるため、情シスによる個別対応の負担を減らすことができます。

Microsoft 365 付きノートパソコンレンタル

情シスが企業で調達したパソコンを管理する場合、初期費用に加えて修理費用や保険費用など多くのコストを要するだけでなく、調達時の発注や故障時の修理業者の手配など、さまざまな管理業務が発生します。

横河レンタ・リースの Microsoft 365 付きノートパソコンレンタルでは、必要なときに必要な期間のみノートパソコンをレンタルでき、初期費用や修理費用などパソコン運用に関わる費用がすべてレンタル費用に含まれます。

また、パソコンの故障時も修理業者を探す必要はなく、当社がスムーズに引き取りや代替機器の手配を行います。

さらに、本サービスでは Microsoft 365 が付属したパソコンを利用できるため、情シス側でのライセンス管理やアップデート作業の負担を軽減できます。

Cotoka for PC

Cotoka for PC利用時の選定、展開、利用、更新の流れ

Cotoka for PC では、情シスを介さずにパソコンのライフサイクルが自動で回るゼロタッチキッティングを実現します。

提供されるパソコンは当社の用意したラインアップから、従業員自身が選択します。情シスが選定を行う必要はありません。
パソコンの配送は、当社から従業員が指定した住所に直接手配します。オフィスはもちろん、従業員の自宅に届けることも可能です。
従業員の手元に届いたパソコンは、Windows Autopilot により自動セットアップされ、すぐに業務用のパソコンとしてご利用開始いただけます。

まとめ

この記事では、情シス業務を効率化させるための方法をご紹介しました。

情シス業務を効率化させる際には、記事内で述べたようにAI搭載のチャットボットやクラウドサービス、アウトソーシングなどさまざまな方法が挙げられますが、費用対効果や自動化・アウトソースする業務を事前に見極めた上で実施を検討するとよいでしょう。

また、当社が提供する「 Flex Work Place 」「 Microsoft 365 付きノートパソコンレンタル 」「 Cotoka for PC 」においても情シスの負担を軽減する豊富な機能がそろっているため、ぜひあわせてご検討ください。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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